患者第一の考えでオンライン診療に完全対応
患者第一の考えでオンライン診療に完全対応
ウチカラクリニック_医師プロフィール
ウチカラクリニック_医師プロフィール

ウチカラクリニックは、オンライン診療に完全対応したクリニックとして2020年に開業した。その名前には「家(ウチ)からいつでも誰でも受診できる便利なクリニック」と「ウチ(当院)から必要な時に適切な専門科、医療機関との架け橋になれるクリニック」という2つの意味が込められている。代表の森 勇磨先生は産業医活動やYouTube『予防医学ch』で情報発信をしており、オンライン診療を活用して生活習慣病などの重症化予防に貢献したいと考えている。

※森先生にインタビューを実施し、頂いたコメントを弊社にて一部編集して掲載しています。

受診を促しても、全く病院に行かない方が一定数いることに驚き

 

──森先生はYouTube『予防医学ch』での情報発信や、オンライン診療に完全対応したクリニックの開業など、新しいことにチャレンジされています。そのような活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

 

私は藤田医科大学病院の救命救急で働いていました。生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)を放置し、脳卒中や心筋梗塞を起こした患者さんがどんどん運ばれてきて、こんなに悪くなる前に予防していれば良かったのに…と思っていました。

救急医として働き続けることは社会的意義のあることだと思いますが、患者さん目線で考えれば、救急搬送されないことが一番良いですよね。それに対して何ができるかと考えました。

そこで、産業医として企業内で健康管理をする仕事に就くと、病院の内と外はだいぶ違うことに気づきました。生活習慣がかなり乱れている方や、受診するように言っても全然病院に行かない方が一定数いることに驚きました。

また、病院では医師と患者さんが1対1で向き合いますが、産業医になってから1人ではなく多数、集団に対してどのように働きかけるかを考えるようになりました。

 

患者さん目線で分かりやすく情報を発信

 

──YouTubeで情報発信しようと思った理由をお聞かせください。

 

誤解を招く情報を発信している医師がいるので、それを是正したいと思ったからです。例えば、がんの標準的な治療をせずに民間療法だけすればいいと信じ込んで、全身の骨に転移をして救急搬送されてくる患者さんがいました。

当時、YouTubeは中年や高齢の方も見るようなプラットフォームになってきたところでした。このタイミングで正しい情報を発信しておくことで、間違った情報が拡散されるのを防げるのではないかと考えました。また、動画なら文章を読むのが苦手な人にも見てもらいやすいと思います。

YouTubeの動画制作にあたっては、当初は自分一人で台本から音楽、アニメーションまで作成していました。現在はアニメーション部分を手伝ってくださる方がいますが、それ以外は今でも自分で作っています。

 

 

──YouTubeで情報発信をする際に大切にしていることは?

 

「医師が知っておいてほしいこと」を一方的に発信しても、誰も見向きもしてくれません。もっとユーザー目線に立たないといけないということに、病院の中にいるとなかなか気づけません。それに慣れるまで時間がかかりました。

医学の情報を分かりやすく噛み砕くと、正確性が損なわれがちですが、厳密に正確性を求めると専門的な内容になってしまうので、どのあたりが最も良い塩梅なのかを考えながら作っています。視聴者からのコメントはとても参考になりますので、ぜひお気軽にご意見をお寄せいただければ幸いです。

 

オンライン診療を入口に、一番良い形で医療と付き合えるように

 

──そして2020年6月からオンライン診療に完全対応した内科クリニック「ウチカラクリニック」を開業されました。その理由や狙いについて教えてください。

 

YouTubeなどで健康の情報を知った後に、オンライン診療という選択肢があると、スムーズにつながるのではないかと考えたからです。

まずは医療との接点を持ってもらうのが大切です。オンライン診療を入り口として、その患者さんにとって一番いい形で医療とお付き合いできるキッカケを作りたいという理念で始めました。

生活習慣病など重症化予防につながる病気の診療を受けることは大切です。健康診断の結果で気になる部分や不明な点などがあったら、医師に見せて解説を仰ぐのも有効な手段と言えます。

 

 

──オンライン診療を行うにあたり、LINEドクターを選ばれた理由を教えていただけますか?

 

LINEは誰にとっても馴染みがありますし、患者さんにとっても使いやすい機能が日々アップデートされているので、LINEドクターを使っています。薬が自動で自宅まで届くサービスもあり、患者さんの手間の削減につながると思います。「すごく楽」とか「時間がないから助かった」といった声がいただけたら嬉しいです。

 

多彩な診療メニューを用意、睡眠時無呼吸症候群も

 

──ウチカラクリニックの診療メニューは、コロナ自宅療養、頭痛外来、生理痛外来、アレルギー鼻炎・花粉症、高血圧外来、おなか外来、不眠症、舌下免疫療法外来、漢方外来、げっぷ/胸やけ、いびき(睡眠時無呼吸)、にきび・アトピー・口内炎など多彩です。例えば睡眠時無呼吸症候群ではどのような流れで診療が進んでいくのでしょうか?

 

まずはオンライン診療で、睡眠時無呼吸症候群の症状(いびき、呼吸が止まる、昼間に眠くなるなど)やリスク(肥満など)の有無を問診します。それで睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるようなら、こちらから検査用の機械を送付します。それが届いたら、その機械をつけて自宅で1晩寝てください。それだけでデータが取れるので、そのまま当院へ送り返してもらうだけでOKです。

当院に検査済の機械が戻ってきて、データの解析が終わったら、当院から連絡します。そこで結果説明のオンライン診療の日時を決めるという流れです。

 

 

──そのときに結果が悪ければ、次は精密検査ですか?

 

数値によります。結果が悪い方には精密検査をパスしてすぐにCPAP治療を開始します。数値が微妙な方に対しては精密検査をおすすめしています。

CPAP治療はオンライン診療だけで完結することができないので、当院に通える方であれば対面診療とオンライン診療を組み合わせながら、できるだけ患者さんの負担が少なくなるように診療を進めていきます。遠方の方の場合はお近くのCPAP治療ができる医療機関に紹介状を書きます。

 

安全第一でオンライン診療を提供

 

──オンライン診療を受けたけれど、やはり採血や画像検査などが必要になって、対面診療でないとできない場合はどうしていますか?

 

近隣の方であれば当院で対面診療をさせていただきますし、遠方の方であれば、近くのクリニックに紹介状を書いたり、場合によっては救急車を呼んでくださいと言うこともあります。オンライン診療では聴診や触診などができなくて情報量が少ないので、絶対に無理をせずに、安全第一で対応しています。そのための院内マニュアルを作ったり、アップデートしたりしています。

 

 

──その紹介状は郵送して送っていただけますか?

 

郵送する場合もありますし、データで他院に送ることもあります。これまでの診療や投薬の内容を話すのは面倒だと思いますので、なるべく紹介状でスムーズにつながるようにしています。

 

 

──なるべく患者さんに負担をかけずに、治療を続けることができるように配慮してくださるのですね。

 

私はもともと、重症化予防や生活習慣病の診療がやりたくてオンライン診療を始めたというところがありますので、無理なく、継続的に治療を続けられるように、患者さんファーストで対応していきます。

 

 

──最後に、オンライン診療に向いていない病気についてお聞かせください。

 

定期的にCTなどの画像診断をしなければいけない病気の場合は厳しいと思います。また、オンライン診療で出せない(処方が禁止されている)精神科の薬がありますので、精神科の診療はオンラインではかなり難しいということを知っておいてほしいですね。

不眠症では依存性のある精神科の薬を使って治療することがありますが、オンライン診療だとそれが使えません。不眠症の原因となっているストレスや生活習慣などをしっかりと聞き取り、依存性がない薬を使って様子を見ていくという診療になります。依存性のある薬を断つという意味ではオンライン診療は有効かもしれません。

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